美しいけれど、ただの美しさではない ── 米谷健 + ジュリア「CRYSTAL PALACE」

ウランガラスのシャンデリアが、ぽうっと妖しく輝く。
幻想的で、どこかミステリアス。
だけど、この光の大きさには “意味” がある。
《CRYSTAL PALACE》は、原発を持つ国ごとに、その国の原発が生み出す電力の総出力規模(メガワット:IAEA資料参考)に比例してサイズが決められた インスタレーション。

つまり、国ごとの「エネルギーの大きさ」をアートという形で可視化した作品。
「わあ、きれい!」で終わらない。
見れば見るほど、ちょっとドキッとしてくる。
そんな作品に出会った。
米谷健 + ジュリアってどんなアーティスト?
アート業界の常識を超えて活動する、ちょっと異色のアーティストユニット。
彼らの作品は、環境問題や社会問題を、ユーモアと美しさを融合させて表現する スタイルが特徴。
🌏 米谷健 → 元・金融ブローカー。お金と社会の動きを知り尽くした視点が作品に活かされている。
📖 ジュリア → 元・大学の歴史学者。歴史をひも解きながら、現代社会の問題をアートに落とし込む。
現在は 京都府在住。
なんと 有機農業をしながらアート制作 を続けているというユニークなスタイルも魅力。
「社会を批評する」だけじゃなく、「実際に暮らしをつくる」姿勢が、彼らの作品の説得力につながっているのかもしれない。
ウランガラスの光が映し出す、見えないもの
この作品のタイトル《CRYSTAL PALACE》は、1851年のロンドン万国博覧会のために建てられた巨大なガラス建築「クリスタルパレス(水晶宮)」 に由来している。
産業革命の象徴として華々しく登場したこの建物。
でも、その裏には、 技術の進歩のために膨大なエネルギーが消費され続けていた という現実がある。
同じように、このインスタレーションも、美しい光を放ちながら、その奥にある「エネルギー問題」をそっと照らし出す。
ふわっとした光に包まれているのに、心のどこかがザワつく。
それは、作品のメッセージがじわじわと心に入り込んでくるからかもしれない。
世界が注目するアートユニット!
米谷健 + ジュリアは、国内外の大規模な展覧会に多数参加。

🏛 2009年「ヴェネチア・ビエンナーレ」(豪州代表)
🏛 2013年「シンガポール・ビエンナーレ」
🏛 2024年「Gangwon International Triennale」(韓国)
さらに、個展も数多く開催!
📍 2015年「オーストラリア国立美術館」
📍 2020年「角川武蔵野ミュージアム(埼玉)」
彼らの作品が評価される理由は、「美しいけど、それだけじゃない」 という絶妙なバランス。
ただの装飾ではなく、見る人に「問い」を投げかける。
そのスタイルが、世界中の美術館やアートイベントで支持されている。
未来への問いかけ
ウランガラスの光がゆっくりとまたたく。
ただ「きれい」なだけじゃない、この作品。
むしろ、知れば知るほど 「この光は、どこから来ているんだろう?」 という問いが浮かんでくる。
エネルギーの未来って、どうなるんだろう?
私たちの暮らしは、どんな仕組みの上に成り立っているんだろう?
そんなことを考えながら眺めると、この作品の光がちょっと違って見えてくるかもしれない。
ぜひ、この光を「自分の目」で感じてみてほしい。
🟢 米谷健 + ジュリア「CRYSTAL PALACE」 🟢
📅 2025年1月30日(木)~ 3月16日(日)
⏰ 11:00~20:00(最終入場19:30)
📍 art cruise gallery by Baycrew’s(虎ノ門ヒルズ ステーションタワー3F)
🚃 東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」直結
🎟 入場無料