宮島達男ー時の海に自宅からオンライン参加。
 
										現代美術家・宮島達男さんが構想する《時の海ー東北》。
東日本大震災をきっかけに生まれたこのプロジェクトに、自宅からオンラインで参加してみました。
宮島達男さんとは?
- 1957年 東京都生まれ
- 東京藝術大学大学院 美術研究科修了
- 1988年 ヴェネチア・ビエンナーレ「アペルト」部門参加《Sea of Time》
- 1999年 第48回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家《MEGA DEATH》
宮島さんの代名詞は、LEDカウンターを用いたインスタレーション作品。
「時の流れ」「生と死」をテーマにした圧倒的な空間表現で、世界中の観客を魅了し続けています。
「時の海ー東北」とは?
東日本大震災後、宮島さんが被災地を訪れたときのこと。
誰も「海を恨む」とは言わなかったことに強く心を打たれ、このプロジェクトが生まれました。
海をイメージした水の中に、参加者それぞれが設定した数字の速度で動くLEDカウンターを沈める。
「あのときの私に会いに行く」「あの人に会いに行く」——そんな記憶や想いを未来へつなげるアートです。
- 開始:2017年
- 完成予定:2027年
- 参加人数:被災地を中心に約3,000人
ひとりひとりの“時”が集まり、ひとつの大きな作品になる。まさに「時の海」と呼ぶにふさわしい構想です。
参加方法
定期的にワークショップが開催されていますが、オンラインでの参加も可能。
参加条件
- 東日本大震災で被災された地域の方、またはその関係者
- 東北の子どもたち
- 東北や震災への思いを強く持っている方
数字の設定
- 0.2〜120.0 の範囲で設定可能(0.1単位)
- 例えば誕生日「2011年2月3日」なら「112.3」など、自分の想いや記憶の数字を入力
あなたの数字で動くLEDカウンターが、作品の一部として刻まれていきます。
私が参加してみて
震災から10年以上。
当時、福島に住み地元は宮城。色々なことがありましたが「今、生きているだけで言葉にならない」——そんな気持ちを抱え続けてきました。
カウンターの数字を設定する時間は、自分の記憶を見つめ直し、深く向き合うひとつのきっかけに。小さな参加ですが、心にしっかり刻まれる体験になりました。
支援と場所の提供について
このプロジェクトはまだ資金不足で、最終的に展示する「太平洋を臨む場所」も決まっていないそうです。寄付や土地提供も募集中。
実際に参加してみると、この作品が完成することへの願いはより強くなります。
ぜひ多くの方に知っていただき、支援が広がってほしいと思います。
⭐️追記(202509)私が記事を書いた当時は「場所が決まっていない」とお伝えしましたが、その後 福島県富岡町 に設置予定地が見つかったそうです。完成への道のりが一歩前進したのは、本当に嬉しいニュース。これからの進展にも注目したいですね。
宮島達男さんの著作もおすすめ
📚 『芸術論』
私も購入し、折に触れて読み返しています。
アーティストの言葉に触れると、作品の見え方がまたひとつ変わる。おうち時間のおともにぜひ。
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震災の記憶を未来へつなぐ「時の海ー東北」。
完成まであと数年。自分の“時”を託す方法としても、心に響くプロジェクトでした。



 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											