ホテル・宿

京都・智積院会館に宿泊してみた!宿坊体験記(口コミ)

naomiracleart

やっほーNaomiです!

先日、京都の宿坊「智積院会館」に実際に宿泊してきました。歴史あるお寺の中に泊まるという貴重な京都宿坊体験で、心身ともにリフレッシュできたので、その体験をブログ記事としてまとめます。

予約からチェックイン、朝のお勤め体験まで詳しくご紹介するので、京都 智積院 宿泊を検討中の方の参考になれば幸いです♡

1. 智積院会館とは?(概要と歴史、宿坊の特徴)

京都・智積院会館

智積院会館(ちしゃくいんかいかん)は、京都市東山区にある真言宗智山派の総本山・智積院の境内に建つ宿坊施設です。智積院は桃山時代の絵師・長谷川等伯(はせがわ とうはく)親子による豪華な国宝障壁画を所蔵し、美しい名勝庭園でも有名な由緒あるお寺です 。

実は成田山新勝寺や川崎大師など全国の寺院を統括する立場にある格式高いお寺でもあり、全国から僧侶の修行者が集う場にもなっています 。

そんな智積院が1966年(昭和41年)に建立したのが宿坊「智積院会館」です。遠方からの参拝者や一般の旅行者でもどなたでも宿泊可能な施設で、長年多くの人に親しまれてきました。老朽化に伴い境内の一角で建て替え工事が行われ、2020年9月1日にリニューアルオープンしています。新しく生まれ変わった館内は木のぬくもりを感じる落ち着いた雰囲気で、従来の宿坊のイメージとは違いカジュアルなホテルのように快適です。

真言宗の僧侶の方々がスタッフとして迎えてくださいますが、サービスや設備面は一般的なホテル同様に整っており、初めての宿坊体験でも安心して利用できるでしょう。

2. 宿泊体験の詳細(予約、チェックイン、客室、食事、施設・アメニティ)

予約からチェックインまで

京都・智積院会館

私が智積院会館を予約した方法は公式サイトのオンライン予約です。公式サイトから宿泊プランや部屋タイプを選んで簡単に予約でき、電話での問い合わせにも対応しているようでした。

宿泊当日、私は京都駅から市バスで「東山七条」停留所まで約10分、下車後徒歩ですぐの智積院会館へ向かいました(京阪七条駅から徒歩10分ほどでも行けます) 。周囲は京都国立博物館や三十三間堂が立ち並ぶ歴史エリアで、観光の合間にチェックインするにも便利な立地です。

チェックイン時間は午後3時〜8時で、玄関を入ると僧侶姿のスタッフの方がフロントで出迎えてくださいました。受付手続きはホテルと同様で、住所や名前を記入し、カードキーを受け取ります。環境保護のため歯ブラシやカミソリなどのアメニティは必要なものだけフロントで受け取るスタイルになっておりました。

京都・智積院会館

使い捨てアメニティの無駄を減らす配慮は、さすが寺社の宿泊施設だと感じました。また、チェックイン時に「翌朝の朝のお勤め(朝の法要)は早朝ですがご参加されますか?」と尋ねられます。宿坊ならではの体験に興味があれば是非参加すると良いでしょう(詳細は後述します)。

館内を案内され、エレベーターで客室へ。なお門限は23時に設定されています 。

夜11時以降は外出できなくなるので、遅い時間に外で過ごす予定がある方は注意が必要です。またチェックアウトは朝10時となっています。

またチェックイン時間も20時までと決まっていますので要注意です。

客室の様子

京都・智積院会館

私が宿泊したお部屋はリニューアル後の綺麗な洋室ツインルームでした。扉を開けると、シンプルで機能的な空間が広がります。

京都・智積院会館

室内にはユニットバスと洗浄機能付きトイレがあり、液晶テレビ、冷蔵庫、湯沸かしポット、ヘアドライヤーも完備。

京都・智積院会館

各室で無料Wi-Fiが利用でき、ベッド脇には最近のホテルのようにUSBコンセントも設置されていて驚きました。

京都・智積院会館

全体としてビジネスホテルのように快適な設備で、「ここがお寺の宿坊?」と思うほど近代的です。

京都・智積院会館

ただし部屋着は一般的な浴衣ではなく、お寺ならではの作務衣(さむえ)が用意されています。館内着として上下セットの作務衣に着替えれば、館内どこへ行くにも楽ちんです。館内は全室禁煙ですが1階に喫煙所があり、各階に自動販売機もあります

なんとアルコールもありました。

京都・智積院会館

写経は上手下手は関係なく、集中して写し終えること自体にご利益があるとも言われます。完成した写経用紙はお寺に納めることもできますし、記念に持ち帰ることもできます。今回は私は初めてということもあり持ち帰りましたが、次回はぜひお寺に奉納して祈願成就をお願いしてみたいと思いました。このように、宿坊では写経体験を通じて自分自身と向き合う時間を持てるのも大きな魅力です。

館内にコンビニはありませんし徒歩圏内にもすぐ店はないので、夜食が欲しい方は事前に買って持ち込むのがおすすめです。私もチェックイン前にお菓子とペットボトル飲料を少し用意していきました。

京都・智積院会館

お部屋にはタオル類(バスタオル・フェイスタオル)やスリッパが備え付けられ、フロントで受け取った歯ブラシなどと合わせて必要十分なアメニティが揃いました 。

京都・智積院会館

ウェルカムお茶菓子として智積院オリジナルの麩焼き煎餅(ふやきせんべい)と、お寺のラベルが入ったミネラルウォーターのボトルが置かれていたのも印象的でした。お寺ならではのオリジナル商品にほっこりしつつ、一息つくことができました。

食事は智積院茶寮桔梗

1階の食堂「智積院会館(智積院茶寮 桔梗)」で夕食をいただくことができます。

宿泊プラン予約時に夕食の有無や内容を選択できますが、私は今回ぎりぎりの予約のため当日行ってみることに。残念ながら仕入れ状況などで予約の方のみでした。

お食事も気になったので、下の写真は次の日に昼食。

京都・智積院会館

こちらの夕食は、伝統的な精進ながら洗練された京料理のような品々です。献立は季節によって異なるようです。

今回食べられずざんねんだったのが「根来汁(ねごろじる)」という椀物。

智積院の明王殿で祀られる不動明王にお供えし加持された小豆を散らしたお汁。この根来汁は高野山から智積院へと伝わる精進料理の伝統を今に伝える一品なのだそうです。

なお、夕食は精進料理の他にも京懐石を選ぶこともできます 。お寺らしい食事を楽しみたい方は精進料理を、京都らしいご馳走を味わいたい方は京懐石を、と好みに応じて選べるのは嬉しいですね。どちらも予約時に申し込んでおけば用意していただけます。

施設と大浴場の紹介

京都・智積院会館

食後は館内散策をしました。1階には売店があり、八ッ橋や漬物といった定番の京都土産から、智積院オリジナルの御守りやお線香まで揃っていました。チェックイン後や朝食前の時間に覗いてみると良いでしょう。

京都・智積院会館

また、ロビーは広々としていてソファもあり、宿泊者が談話したり寛いだりできるスペースになっています。

京都・智積院会館

そして旅の疲れを癒やしてくれるのが大浴場です。智積院会館には男女別の大浴場があり、15時〜23時まで利用できます。私も就寝前にゆったり浸かりましたが、広々とした浴槽で手足を伸ばせて快適でした。なお、館内にはコインランドリーは見当たりません。

部屋に戻り、柔らかな照明の下で就寝準備。テレビもありましたが、せっかくのお寺ですので静かな時間を過ごしました。翌朝は早起きして朝のお勤めに参加する予定なので、22時頃には就寝。普段は夜更かしの私ですが、心地よい疲れと静寂に包まれてぐっすり眠れました。

3. 宿坊ならではの魅力(朝のお勤め体験、庭園の美しさ)

早朝の朝のお勤めに参加

京都・智積院会館

智積院会館に泊まったら是非体験してほしいのが、朝のお勤め(朝の法要)への参加です。これは宿坊宿泊者限定の体験で、無料で誰でも希望すれば参加できます 。

私もチェックイン時に参加希望を伝えていたので、翌朝にロビーへ集合しました(5時40分、冬期は6時10分集合)。同じ日に泊まっていた宿泊者の方々数名ほどがロビーに集まり、僧侶の方に先導されて徒歩で境内の金堂へ向かいます。

京都・智積院会館

薄明かりの差す早朝、静まり返った境内を歩くだけでも厳かな気持ちになります。金堂に入ると僧侶の方々がずらりと並び、ご本尊の大日如来様の前で読経が始まりました 。

宿泊者も後方に座して一緒にお勤めに参加します。お経の響きが堂内いっぱいに満ち、心が洗われるような時間でした。早朝ならではの凛とした空気の中、大勢の僧侶の低音の読経は身体に響き、俗世の悩みが一瞬消えていくような感覚さえ覚えます。

金堂でのお勤めが終わると、続いて隣の明王殿へ移動しました 。こちらでは不動明王様の前で護摩法要が行われます。護摩木が焚かれ、勢いよく燃え上がる炎、響き渡る太鼓と読経の音――先ほどの静かな金堂とはまた違い、迫力満点の儀式です 。

私も護摩木が燃える様子を目に焼き付けながら、自分の願い事が炎とともに天に届くよう祈りました。この明王殿のご本尊・不動明王は和歌山の根来寺(ねごろじ)から伝来したご縁で、先ほど夕食でいただいた根来汁の由来にもなっているとのことでした。

僧侶の案内で特別拝観:名勝庭園と障壁画

京都・智積院会館

朝のお勤めの後、宿泊者だけの特典として僧侶の方による境内特別案内がありました 。まだ一般参拝客の来ない早朝の境内を、ガイド付きで巡ることができるのです。まず案内していただいたのは智積院自慢の名勝庭園。智積院の庭園は千利休好みとも伝えられる江戸初期の庭で、京都東山随一の名園とも称され昭和20年に国の名勝に指定されています。大河ドラマ「べらぼう」のロケにもつかわれたんだとか。

京都・智積院会館

大書院に面した池泉回遊式庭園で、初夏にはサツキツツジ、秋には紅葉が彩る絶景です 。。僧侶の方から「こちらの石組みが〇〇を表していて…」と由来を伺い、ただ眺めるだけでは気づけないポイントも教えてもらえました。朝の柔らかな日差しの下で見る庭園は格別で、まさに宿坊宿泊者だけの贅沢なひとときです。

こうした朝のお勤めから境内案内までの一連の流れはだいたい7時半頃に終了しました。参加は自由ですが、せっかく智積院会館に泊まるなら強くおすすめします。普段は味わえない非日常体験で、一日の始まりに清々しい気持ちになれますよ。

写経体験で心を静める

宿坊体験といえば、もう一つ挑戦してみたいのが写経(お経を書き写すこと)です。智積院会館では公式に写経プログラムが用意されているわけではありませんが、希望すれば写経用紙をいただいて客室で体験することも可能とのことでした。

4. 周辺観光情報(智積院の見どころと近隣スポット)

智積院会館に宿泊した際は、ぜひ周辺の観光も一緒に楽しみましょう。智積院自体も見どころ豊富なお寺ですので、宿泊当日や翌日にゆっくり拝観するのがおすすめです。智積院の見どころとしては、先述の名勝庭園や長谷川等伯筆の障壁画(複製展示)、金堂や明王殿といった伽藍があります。特に庭園は大書院から眺める景色が素晴らしく、人が少ない穴場寺院でもあるので静かに鑑賞できます。拝観受付で志納すれば誰でも見学可能ですので、宿泊者以外でも是非訪れてみてください。

また、徒歩5分圏内には京都を代表する観光スポットがいくつもあります。京都国立博物館(徒歩約5分)は明治30年開館の歴史ある博物館で、平安~江戸時代の美術工芸品や考古遺物、東アジアの美術品まで幅広く収蔵・展示しています。明治古都館というレンガ造りの建物と近代的な新館が並ぶ様子も美しく、タイミングが合えば特別展も鑑賞できます。

そして三十三間堂(蓮華王院)も徒歩5分とすぐ近くです。長さ120メートルにも及ぶ長大な本堂内に千手観音立像が1001体もずらりと並ぶ光景は圧巻で、本堂や仏像群はすべて国宝に指定されています。中央の巨大な坐像千手観音を囲む千体の観音像、両脇には風神・雷神像や二十八部衆も立ち並び、その迫力と神秘さに思わず息を呑みました。朝のお勤めで心が研ぎ澄まされた状態で拝観すると、一層深い感動を覚えるかもしれません。

その他にも、少し足を伸ばせば清水寺や祇園(八坂神社)方面へもアクセス良好です 。清水寺は智積院から北へ徒歩20分ほど(またはバスで10分程度)で、世界遺産にも登録された京都屈指の名刹。舞台からの眺望や音羽の滝など見所満載です。祇園エリアへは京阪七条駅から電車に乗ると数駅で行けます。夕方以降に花見小路を散策したりと、宿坊に泊まりつつも京都観光を存分に楽しめるでしょう。

5. 実際の感想とおすすめポイント(智積院会館宿泊の口コミ)

最後に、私が智積院会館に宿泊して感じたことやおすすめポイントをまとめます。総じて、歴史あるお寺の中に泊まるという特別感と、新築ホテルのような快適さの両方を味わえる素晴らしい宿坊でした。

おすすめポイント:

  • お寺の静かな環境と新築の快適さ:境内という静寂なロケーションにありながら、館内は新しく設備も充実していて清潔。畳の和室からベッドの洋室まで部屋タイプも豊富で、老若男女問わず快適に過ごせます 。観光地に近い立地ですが夜はとても静かで、ぐっすり眠れました。
  • 朝のお勤め体験ができる:宿泊者限定で早朝の法要に参加でき、僧侶の読経や護摩祈祷といった非日常の儀式を体験できます。旅行中にこれほど本格的な宗教体験ができる機会は貴重で、心が浄化されるようでした。普段味わえない厳かな時間を過ごせるのは宿坊ならではです。
  • 精進料理がおいしい:伝統的な精進料理を気軽に味わえるのも魅力です。肉魚なしとは思えない満足感で、身体にも優しい献立でした。
  • 僧侶やスタッフの温かい対応:チェックインから案内まで、対応してくださるのは修行中の僧侶の方々でしたが、皆さん丁寧で親切でした。お寺ならではの温かみを感じました。アメニティの用意など独特のシステムもありますが、不便に感じることは特にありませんでした。
  • 京都観光の拠点に便利な立地:東山七条エリアに位置し、三十三間堂や国立博物館など徒歩圏内に観光名所が揃っています。京都駅からのアクセスもバスですぐですし、観光の合間に一度荷物を置きに戻る、といったこともしやすかったです。

注意ポイント:

  • 門限と早朝スケジュール:智積院会館には夜23時の門限があります。祇園などで夜遅くまで飲み歩きたい、といった旅行スタイルには向きません。夜間はお寺も静まり返るので、遅くとも22時台には戻ってくるのが無難です。また朝のお勤めに参加する場合、5時台起床となるため夜は早めに休む必要があります。旅行中だと少しハードルが高いですが、無理に起きなくても参加は任意なので安心してください。
  • 食事・売店の営業時間:夕食は最終受付20時(提供は〜20時30分)とやや早めです 。観光で戻りが遅くなる場合は夕食なしプランにするか、時間に間に合うよう注意しましょう。また館内にコンビニはなく、売店も夜20時までなので 、飲み物やおやつが欲しい場合は事前に用意しておくと安心です。自販機はあります。
  • 宿坊らしさと快適さのギャップ:設備が整いすぎているゆえに、「修行道場のような粗末な宿坊体験」をイメージして行くと拍子抜けするかもしれません。本格的な宿坊らしさよりも、宿坊テイストのある和風ホテルといった印象です 。畳敷きで布団に寝るスタイルが好みなら和室タイプを選ぶと良いでしょう。一方で逆に言えば清潔で快適なので、初めて宿坊に泊まる人や高齢の方でも安心して利用できるメリットと言えます。

総合的に見て、智積院会館での宿泊は「京都でお寺に泊まる」という特別な思い出になりました。実際に泊まった私の口コミとしては大満足の体験で、京都の新たな魅力を発見できた気がします。朝のお勤めで聞いたお経の響きや、静かな庭園を眺めながら飲んだお茶の味は、今でも心に残っています。観光地巡りだけでは得られない心の充実感があり、まさに京都 宿坊 体験としておすすめできる宿です。

京都には他にも宿坊がいくつかありますが、初心者には設備が整った智積院会館が特に良いでしょう。私自身、また京都を訪れる際には再訪したいと思える素敵なお宿でした。みなさんも機会があればぜひ智積院会館への宿泊を検討してみてくださいね。

泊まる、祈る、食べる——すべての体験が揃った智積院会館で、心に残る京都旅を楽しんでいただければ幸いです。

各種情報は記事執筆時点のものです。最新の宿泊プランや営業時間等は公式サイトをご確認ください。


ABOUT ME
NAOMI
NAOMI
アート・建築巡りの人
芸術で日常や旅が楽しくなるライフスタイルブログ。 アート巡り・建築探訪・バレエなど芸術鑑賞が好き。 美術館巡り歴は0歳から。社会人になってからの通信制美大経験有 美しい作品・空間を求めてどこまでもおでかけするよ。
記事URLをコピーしました